鬼ノ城
日本遺産桃太郎伝説

鬼の棲む山城

標高約400mの吉備高原の南縁に位置する古代山城で、吉備津彦命の鬼退治の舞台としても有名です。
鬼城山はすり鉢を伏せたような形の山で、この山の8合目から9合目にかけて城壁が約2.8kmにわたって鉢巻状に巡っています。城壁は、一段一列に並べて置かれた列石の上に土を少しずつ入れてつき固めた版築土塁と高い石垣で築かれ、数m〜数十mの直線を単位として地形に応じて城内外へ「折れ」ているのが特徴です。
城壁で囲まれた城内は約30ヘクタール(東京ドームの約6.4倍)に及ぶ広大なもので、水門が6か所、城内の出入口となる城門が4か所、食糧貯蔵庫と考えられる礎石建物跡などが確認されています。城門の「西門」と城壁の死角を防ぐ施設「角楼」周辺については復元しており、当時の堅固な古代山城の一部を目の当たりにすることができます。

鬼ノ城ビジターセンター
営業時間9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日月(祝日の場合は直後の平日)
年末年始(12/29〜1/3)
入園料無料
電話番号0866-99-8566
住所総社市黒尾1101-2
鬼ノ城ビジターセンター

鬼ノ城案内図
Guide map

鬼ノ城案内図

鬼城山ビジターセンター⇔西門は往復約15分
外周を回ると約1時間

屏風折れ(高石垣)

屏風折れ(高石垣)

谷に築かれた水門

谷に築かれた水門

城内に残る礎石建物跡

城内に残る礎石建物跡

岩屋周辺

  • 鬼の差し上げ岩
    鬼ノ城から峰続きで約3㎞のところにある山上の集落に、今でも岩屋寺の石垣・石段等が残っており、古くは多くの僧坊があったと推測されています。その背後にある露出した花崗岩の大きな洞窟が温羅のすみかだったといわれています。この巨岩には手形のようなくぼみがあり、「鬼の差し上げ岩」の別名があります。この一帯には鬼にちなんだ岩や、江戸時代の観音めぐりのコースの一部が残っています。
    鬼の差し上げ岩
  • 皇の墓
    総高1.19mの無縫塔。岩屋寺の開祖、文武天皇の皇子の善通大師の墓と伝えられていますが、温羅の胴体を埋めたという伝承もあります。
    皇の墓
日本遺産桃太郎伝説

[ 日本遺産 構成文化財 登録 ]桃太郎伝説の生まれたまち おかやま
~古代吉備の遺産が誘う鬼退治の物語~

温羅伝説
第11代垂仁天皇のころ、吉備国に「温羅」という異国の王子がたどり着いた。髪やひげはぼうぼう、性格は極めて凶悪。温羅は備中国新山に居城「鬼ノ城」を築き、貢物や婦女子を略奪し、人々に恐れられた。
そこへ、大和朝廷から温羅退治に送り込まれたのが「五十狭芹彦命(吉備津彦命)」。命は大軍を率いて「吉備の中山」の西に石楯を築いて布陣し、矢を射って攻撃した。一方、温羅は山城である鬼ノ城から岩を投げて迎撃。矢と岩は何度も空中でぶつかり、こう着状態が続いた。そこで、命は神力を発揮して同時に2本の矢を射ると、片方の矢が温羅の左目に命中。温羅の目から吹き出した血潮は血吸川に流れ、下流の赤浜まで真っ赤に染めたという。
傷ついた温羅は、雉に姿を変えて山中に隠れたが、命は鷹となって追いかける。ならばと、温羅は鯉に化けて血吸川に逃げ込むが、逃すまいと命は鵜となって追いつき、鯉に姿を変えた温羅をかみあげた。
吉備津彦命に成敗された温羅の首は、吉備津神社の御釜殿の土中深く埋められたが、その後13年もうなり続けた。
ある夜、命の夢枕に立った温羅が「わが妻、阿曽媛に神饌を炊かしめよ。これまでの悪業の償いに、釜をうならせて世の吉凶を告げよう」といった。これが、吉備津神社の「鳴釜神事」の始まりといわれている。
  • 角楼
    角楼
  • 温羅太鼓
    温羅太鼓

日本遺産構成文化財の一部

桃太郎の鬼退治

吉備の山里には温羅伝説ゆかりの史跡がたくさんあります。
物語を思い描きながら訪ねてみては…

  • 鬼の釜
    市指定文化財
    鬼の釜
    鬼ノ城の登山道わきにある大きな鉄の釜。温羅がいけにえをゆでたと伝えられる。
  • 血吸川
    血吸川
    鬼城山から流れ出る川で、伝説では吉備津彦命の射った矢で傷を負った温羅の血で真っ赤になったといわれている。
  • 吉備津神社
    国宝(本殿及び拝殿)
    吉備津神社(岡山市北区吉備津)
    吉備津彦命を祀る吉備国の総鎮守。御釜殿の土中に埋められた温羅の首が、かまどにかけられた釜を鳴らして吉凶を告げるといわれる「鳴釜神事」は有名。
  • 吉備津彦神社
    県指定重要文化財(本殿)
    吉備津彦神社(岡山市北区一宮)
    大吉備津彦命を祀る備前国の一宮。背後の吉備の中山に神々の依り代とされる磐座を祀る。
  • 矢喰宮
    矢喰宮(岡山市北区高塚)
    大吉備津彦命を祀る備前国の一宮。背後の吉備の中山に神々の依り代とされる磐座を祀る。
  • 鯉喰神社
    鯉喰神社(倉敷市矢部)
    鯉に化けて血吸川へ逃げ込んだ温羅を、鵜に姿を変えた吉備津彦命が捕まえた場所とされている。
  • 楯築遺跡
    国指定史跡
    楯築遺跡(倉敷市矢部)
    弥生時代後期に造られた国内最大級の墳丘墓。伝説では、吉備津彦命が石楯を築き防戦準備をしたといわれている。
  • 両宮山古墳
    国指定史跡
    両宮山古墳(赤磐市和田・穂崎)
    県下3番目の大きさを誇る前方後円墳で墳長206m、二重の濠に囲まれた形が特徴。
  • 造山古墳
    国指定史跡
    造山古墳(岡山市北区新庄下)
    5世紀初頭では全国最大規模の前方後円墳。強大な勢力が吉備に存在していたことを示している。

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